「おはじき」はどこからやってくるのか?

Mar 25, 13 • No Comments

top-img「おはじき」とは、ちょっとした欠けや割れ、色ムラがあるために正規品になれなかったおかきのことです。

高級おかきの規格外「おはじき」

プロジェクトの第1回目のテーマとなるのは、贈答品としての「おかき」の名店・赤坂柿山の「おはじき」とデッドストック缶です。

お米本来の味を生かすことにこだわっている赤坂柿山のおかき。その中の5%から、種類によっては15%もの製品が「おはじき」とされ、価値の低い規格外品として扱われます。そもそも、どうして「おはじき」は生まれるのでしょうか?その背景から「ニューリサイクル」のヒントを探ります。


生まれは富山、お米の味を大切にするおかき

img01赤坂柿山のおかきは、富山の工場で作られます。地元でたくさんの太陽を浴びて育ったもち米と山に洗われた清水が素材です。

お米そのものの風味や食感を活かすために、木枠を使ったせいろ蒸しや杵つきなど、あえて手間のかかる製法を選んでいます。その日の天候やお米の質に合わせて一番おいしいおかきをつくるために、熟練した職人が長い工程をかけます。

詳しい製造工程は赤坂柿山のサイトで紹介されています。


職人の目から「はじき」が生まれる

img02焼き上がりはすべて職人の目で厳しくチェックし、手で選り分けます。「欠け」や「割れ」のあるものはもちろん、基準となるサイズよりも大きすぎるものや小さすぎるものも、「おはじき」となります。

素材も工程も変わらないものですが、「特別な贈り物」にふさわしいおかきをつくるには、素材から仕上がりまで一切妥協が許されません。



中身を見せない、が革新的だった

03おかき自体はもちろん、パッケージにも並々ならぬこだわりを持っています。そのこだわりは、創業期の1972年にさかのぼります。

当時売られていたおかきは、ほとんどが庶民のおやつでした。しかし、中身が「いいもの」ならば、おかきも洋菓子のように特別な贈り物になるのではないか? そこに目を付けた創業者の川合氏が、高級な洋菓子と同じく中身の見えない内袋と美しいデザインが施された化粧缶で包みました。こうして、世界ではじめて「ハレのお菓子」としてのおかきが誕生したのです。


とっておきたくなる化粧缶

img05おかきのパッケージは、ひな祭りやバレンタインデーといった季節行事やブライダルなどのニーズに合わせて、さまざまなデザインが生まれています。

一方で、定番のギフトセット用の化粧缶は年間を通じて需要があるため、一度に大量生産します。この化粧缶、じつはファンから「もったいなくて捨てられない」という声が上がるほどの人気者です。しかし、お客様にニーズに合わせて随時商品リニューアルされるため、その後、余ったものを使うことができません。

そこで今回のプロジェクトでは、「おはじき」と合わせて、正規商品には使うことができないデッドストックの缶を活かしたギフトのデザインを考えます。


KAKIYAMAを世界に届けたい

赤坂柿山 佐藤さん

赤坂柿山 佐藤さん

赤坂柿山のファンは、50~70代が中心です。これまでのお客様を大切にしつつも、これからは新しい層に向けておかきの楽しみ方を提案したい、と赤坂柿山の商品企画を担当する佐藤さんは話します。
「おかきと言えば、日本茶に合わせるイメージが一般的ですが、食前酒と合わせるなど、召し上がり方には様々な可能性があると思います」

海外へ認知を広げたいとも考えており、海外の催事などにも積極的に参加しています。代表取締役・川合氏の夢は、いつか海外で「KAKIYAMA」という言葉が「おかき」の一般的な呼び名になることだそうです。

最後に、佐藤さんに今回のプロジェクトについて伺いました。
「クリエイターのみなさんには、このテーマで思い切り遊んでほしいです。皆さんのデザインをきっかけに、より若い世代のみなさんにもおかきの本当のおいしさが伝われば嬉しいです」

正規品と同じ素材、手間暇をかけてつくられた「おはじき」と、時間がたったことで出番がなくなってしまった化粧缶は、いずれも赤坂柿山のおかきづくりへのこだわりが詰まったもの。両者の魅力と価値を活かした、New Recycleギフトのアイデアを、ぜひ考えてみてください。


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