6月某日、スマイルズのオフィスで「1万人のクリエイターミーツPASS THE BATON」第一回目の審査が行われました。
Project vol.1の募集テーマは、おかきの名店・赤坂柿山のこわれおかき「おはじき」とデッドストック缶を生かしたギフトのデザイン。スマイルズ 遠山さん、キギ 植原さん・渡邉さん、ロフトワーク 林という4名の審査メンバーが、72点の応募作品と真剣に向き合いました。さらに、審査会中に応募されたアイデアを「実際に作って試してみる」シーンも。
そんな審査会の様子を、フォトレポートでお届けします。最後に各審査メンバーからの総評もありますので、ぜひご覧ください!
すべての応募作品を、審査メンバーが確認
まずはじめに、審査員全員で全応募作品に目を通します。応募用紙に書かれた文言まで、ひとつひとつ丁寧に確認しました。
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遠山さんと(左)と、キギ 植原さん(右)
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キギ渡邉さん(手前)と、ロフトワーク林(奥)。作品を見る目は真剣です。
審査メンバーが全作品を確認した後、作品を絞り込んで協議を行いました。アイデアはユニークか、デザインとして魅力的か、実現可能性や、店頭でわかりやすいプレゼンテーションができるかどうか等、いくつかの視点で意見交換します。
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「おかき」と「パッケージ」、それぞれへのアプローチを検討
はじめは「おはじきにチョコレートをかける」「お茶漬けの具として商品化する」など、「おはじき」自体に何らかの加工を加えるアイデアに注目があつまりましたが、「開発コストをどうするか」「実現可能性」という点で課題がのこりました。また、PASS THE BATONの店舗で実際に「売れる」ものにするためには、デザインや店頭プロモーションの方向性なども考慮する必要があります。
次に、パッケージでいかに面白くするかを工夫した作品に話題が移りました。おかきを「お相撲さん」に見立て、食べ終わったパッケージで「トントン相撲」ができるというアイデアを見て、「…ちょっとやってみよう。」審査メンバー全員で実際に遊んでみることに。
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まずはカードを立ててみて、トントン…あれ、うまく戦わない?
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「相撲というより、まるで踊っているみたい」という遠山さんの一言から、渡邉さんがその場で少女の絵を描いて、実際に躍らせてみました。
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植原さんが、躍る少女をiPhoneで撮影。みんな口々に、「いいねえ」「かわいい」
最終的に、「おはじき」に「遊ぶ楽しさ」という新しい価値を加えたzucaさんの提案「sumou おかき」が評価され、商品化に進むことが決まりました。
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zuca さん「sumou おかき」
審査メンバーからの総評
(敬称略)
スマイルズ 遠山 正道
たくさんの応募があってうれしいです。Project vol.1で提示された課題には、デザインとアイデアのふたつの要素がありました。デザインの制約条件が厳しい中、アイデアで勝負する作品が多かったようです。ただ、全体を見た感想としては、アイデアはもっとジャンプしてもよかったかなという印象があります。結果的にふたつほどおもしろいアイデアがありましたが、商品化にはまだ道のりがあると感じています。
キギ 植原 亮輔
ドキュメントだけで審査を行うのは今回が初めての経験で、作品を自分なりに解釈しながらの判断するのは難しかったなというのが正直な感想です。評価された作品からは、問題点を整理してアイデアを出していこうという姿勢を感じました。ただ、全体的にデザインの仕上げが「いまひとつ」という印象を受けました。
キギ 渡邉 良重
今回の課題では表面的を綺麗にするのだけではなく、中身とリンクしている必要がありました。全体としては、もう少しデザインが凝った作品を見たかったですね。選ばれた作品については、実際に作って試してみると思いのほか動きが楽しくて、よいアイデアだと感じました。
ロフトワーク 林 千晶
採用作品以外にも、可能性を感じる作品がありました。選ばれた作品は「新しい価値をうむ」というプロジェクトの課題に対し、おかきの味だけで勝負するのでもなく、デザインだけで勝負するでもない、想像もしていなかったような提案をしてくれています。良い形で商品化できたらいいですね。
審査メンバーのみなさん、ありがとうございました!
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