7月某日、「クリエイターミーツPASS THE BATON」プロジェクト第2回目の募集テーマの審査会が行われました。
リサイクルのテーマは、英国生まれのオーガニック製品ブランド、ニールズヤード レメディーズの化粧品に使われている「ブルーボトル」。ガラスという加工の自由度が高い素材のため、美しいブルーを活かした多様なプロダクトのアイデアが集まりました。
今回も、作品選考はスマイルズ遠山さん、キギの植原さん・渡邉さん、ロフトワーク林の4名で行います。
ニールズヤード レメディーズのボトルを使う必然性
ニールズヤード レメディーズ 日本法人代表の梶原さん曰く「完成されたデザイン」として、30年間変わることがなかったボトル。「やっぱり、ボトルそのもののデザインが素敵だよね」という遠山さんの意見に、審査メンバー一同、頷きます。
キギ 渡邉さんからは「なんでも作れるから、なんでもありになってしまうのは少しちがうよね」
ロフトワーク 林も「琉球ガラスとか、どのガラスでつくっても同じなものでは意味がないはず」
ガラスはどんな形にも作り替えることが出来るがゆえに、ニールズヤード レメディーズのボトルを使う必然性をどのように表現しているかが、審査の鍵となりました。
3つの採用作品
そんな中、スマイルズ遠山さんが注目したのは、Wolf.projectさんの作品でした。ボトルを溶かし、元のデザインをほぼそのまま活かした大きなサイズに作り変え、飲料水や食品を入れる容器にするというものです。
遠山さん 「これ、気付いた? 元の瓶をそのまま大きくしているの。おもしろいよね」
植原さん 「気付かなかった…!」
遠山さん 「僕の家では、大きな瓶にお米とかパスタを入れて保存しているんだよね。これも同じように使えたら、ちょっとおしゃれじゃない? それに、引出物にしてもいいよね。『大きな愛を入れてください』なんて」
最終的に、上のWolf.projectさんの作品を含め、「ボトルの形状を活かしている」「ニールズヤード レメディーズのブランド理念に通じている」そしてもちろん、「プロダクトとして魅力的」という条件を満たした、ユニークなプラン3案が採用されました。(採用作品へのコメントはこちらのサイトでご覧いただけます)
審査メンバーからの総評
スマイルズ 遠山 正道
今回の選考は楽しかったですね。やっぱり素材自体が非常に素敵ですし、ニールズヤード レメディーズの姿勢に共感している人が多かったようです。応募作品から、ボトルそのものを活かそうという姿勢が見えました。PASS THE BATONでは、リサイクル以前の商品より魅力的なものを作ることを「プロパー超え」と呼んでいますが、もとのボトルを巨大化させるWolf.projectさんのアイデアなどは面白く、可能性を感じます。商品化が楽しみです。
キギ 植原 亮輔
今回はシンプルなテーマだったこともあり、みんな楽しんで発想しているように見えました。私も、審査していてとても楽しかったです。
キギ 渡邉 良重
自由度が高いだけに、やりすぎるとなんでもありになってしまう。ブルーボトルを活かすようなアイデアがよいものに繋がると感じました。
ロフトワーク 林 千晶
審査メンバー全員「いいな」と感じたポイントが一緒でした。ボトルの形をまるごと変えなくても、視点のおもしろさでいくらでも新しい価値を生み出せるんですね。
Tags: 10000me02